看護師とナースウェアの歴史
—看護師とナースウェアの歴史について—
中世ヨーロッパから現代のユニフォームスタイルに至るまでの軌跡を紹介します。
看護師の歴史とユニフォーム
看護師の歴史は、中世のヨーロッパまでさかのぼります。
カトリック教会における修道院の女性達(シスター)が病人の看護をしたのが始まりと言われています。
修道院の女性達が従事していたため、シスターの制服が当時の看護服であり、ナースウェアの原型とも
言われています。
その後、ナイチンゲールにより「看護師」という職業が世間に認知されるようになりました。
当時ナイチンゲールが着用していた服が、丈の長い長袖ワンピースに袖なしの白いエプロン、
ナースキャップというスタイルだったので、これが後々の看護師のユニフォームにも多大な影響を
与えました。
日本での看護師の起源
日本では1885年より看護婦養成教育がスタートしました。
当時のユニフォームは、上着は筒袖、下は袴のような長いスカート、足元は草履というのが常着でした。
常着とは別に式服もあり、式服は詰襟(つめえり)で肩パッドが入っており、下は八枚はぎの長いスカートでした。
第二次世界大戦が起こり、日本赤十字社が戦場に従軍看護師を送りだすようになり、
男性の職業服に合わせるように、洋装の白衣(ナースウェア)としてワンピースが採用されました。
戦後になると「保健衛生法」「環境衛生法」が制定され、環境衛生関連職種は、
「清潔な白衣を着用する」ことが義務づけられました。
その結果、看護師のユニフォームは綿100%の白いワンピースが一般的になりました。
白衣(ナースウェア)は、ワンピースからパンツスタイルへ
1960年代になるとデザイン性が重視されるようになり、ポリエステルなどの化学繊維を採用した
ユニフォームが増えてきました。
パンツスタイルのユニフォームが普及し始めたのは1970年代です。
徐々に男性看護師の数が増えてきたことと、機能性や感染予防が重要視されるようになった為です。
1980年にはデザイナーズブランドの白衣も登場しています。
1990年頃からは、女性がパンツファッションを好むようになったことも相まって、
ワンピース型よりもパンツスタイルを採用する病院が増加しました。
それと同時に、機能性や衛生面からナースキャップの廃止も進んでいきました。
現在の白衣(ナースウェア)はスクラブが主流になりつつある
1990年代から海外ではスクラブタイプのユニフォームが多く採用されるようになりました。
今までスクラブは手術着として普及していましたが、実用性が高く男女ともに着用できることから
ドクター・ナースのユニフォームとして広まりました。
日本でも、医療ドラマでスクラブのユニフォームが採用されたことから人気が高まりました。
スクラブの採用をきっかけに、今では、白だけではなく様々な色のユニフォームが採用されるように
なっています。