空調服の種類は?素材や選び方のポイントも紹介


近年、地球温暖化の影響で日本の夏の暑さはすさまじいことになっています。その結果、持ち運ぶ扇風機や空調作業服などさまざまな熱中対策アイテムが登場しました。

特に空調服はそのユニークな見た目も相まって、一気に認知度がアップ。しかし種類が多くてなかなか選べないという意見も散見します。

そのため、ここでは空調服の仕組みや種類、選び方のポイントなどを紹介します。この夏にベストな空調服を選ぶための参考にしてください。

空調服とは

空調服とは、作業着の中に小型のファンを設置したもの。本来は株式会社空調服が作った商品と会社の名前なのですが、ファンが内蔵された作業着の総称として「空調服」が使われています。

機能的に名前をつけるとすれば「電動ファン内蔵服」がよく表現できているでしょう。ただし、この記事では一般に馴染まれている空調服で統一します。

空調服には「長袖タイプ」「半袖タイプ」そして「袖なしタイプ(ベストタイプ)」があり、それぞれ人気で購入には予約が必要なこともあるほどです。気に入ったデザインのものがあれば、早めに行動するようにしましょう。 

▶関連記事:【空調服もおしゃれに!】選び方のポイントまとめ!

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空調服の仕組み

空調服は、そもそも人間に備わっている体温調節機能を利用する工夫がなされている服です。

人は体が熱くなるとそれを冷やすため脳から指令を出し、汗をかかせて気化熱で体表を冷やします。その機能を利用するため、腰のあたりに2つの小型ファンを取り付け、外から大量の空気を取り込んで風を服の中に引き起こすのです。

そして汗を気化させた気化熱を、袖口や襟元から効率的に排出。つまり、人が出す汗を利用して体を冷やしているのです。ちなみに、ファンは服の内側や腰に取り付けたバッテリーを使って動かしています。

空調服に必要な物

空調服には、以下の3つが必要です。

  • ファン
  • バッテリー
  • 専用の服

ファンは風を生み出す機械。そしてこのファンが、一番壊れやすいパーツでもあります。メーカーによっては蓋を外して自分で羽の掃除ができるようになっている商品もありますが、そうでないものもあるため、購入時にはオプションを確認するようにしましょう。

ファン本体の価格は5,000円前後。防塵フィルターを取り付けることで、ファンの寿命を延ばせます。また、保証期間はメーカーによって異なるのでこちらも確認が必要です。

バッテリーは電源のスイッチや風量の調節を行うためのもの。故障は限りなく少なく、購入すると平均寿命は3年から4年程度と言われています。とはいえやはり、バッテリーの寿命を決めるのは、使い方によるところが大きいでしょう。

専用の服は、ファンが取り付けられるようになった服のこと。かつては作業着ばかりでしたが、最近ではファッショナブルなタイプも出てきています。服本体の値段は大体5,000円前後です。ただしメーカーや袖の有無によっても違うため、自分が必要としているものは何かを考えてから購入しましょう。

空調服の種類①形状

空調服本体の種類についてみていきましょう。ここでは空調服の形状や素材、機能について紹介します。

空調服には「長袖」「半袖」そして「ベスト」の3つのタイプがあります。それぞれの特徴やメリット、デメリットをみていきましょう。

ベストタイプ

近年、最も人気がある空調服がベストタイプ(袖なしタイプ)です。特徴は、軽量であること、動きやすいこと、ファンを使ったときの見た目に違和感が少ないことなど。そしてさらに、他のタイプに比べて安価であることなどです。

ベストタイプは他の半袖や長袖タイプに比べ、風の通りがよくて涼しいのが最大のメリット。必要な生地の量が違うため、安価であることも多くの人にとって嬉しいことでしょう。

また、空調服は中に風を通すためにファンのスイッチを入れると服全体が膨らみます。しかしベストタイプであれば腕部分がないため、さほど違和感ある外見にはならずに済み、作業着ではない一般的なファッションとして取り入れやすいのです。

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半袖タイプ

半袖タイプはその立ち位置としては微妙なラインにあるタイプです。リスクがある現場では腕を出さない方がよいため長袖タイプが選ばれますし、安くて軽く、涼しいのはベストタイプであるからです。

しかし、ベストタイプは企業によっては「ラフすぎる」と判断されて取り入れられないこともあります。そういうときが、半袖タイプの出番です。半袖タイプはベストタイプに比べると見た目がカチッとしています。オンに合っているからという理由で、多くの方に購入されているのでしょう。

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長袖タイプ

長袖タイプは肌を露出できない現場や、長袖着用の義務がある場合などに選ばれる空調服です。

デメリットは他のタイプに比べて価格が高くなること。そして、電源を入れてファンを回すと袖までがブワッと膨らんで、細かい作業はしにくくなることです。狭い現場では服が引っかかってしまうこともあり、使う人は限られます。

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空調服の種類②素材

では続いて空調服の素材について確認しましょう。空調服の素材は、ポリエステル素材と綿素材が主となっていますが、両者の混合タイプもあります。

ポリエステル素材

ポリエステル素材のメリットは、軽く・薄く・乾きが早く・色落ちしないことです。そしてデメリットは、引っかかりやすく・破れやすく・汗を吸わず・火に弱く・タバコの灰などがかかると溶けること。しかし生地の耐久性は、綿に負けます。

基本的に空調服は暑いときに着るものであるため、大量にかいた汗で濡れた服が早く乾くのはありがたいことです。さらにファンの重さがあることを考えると服は少しでも軽い方が楽なうえ、疲労も溜まりにくいでしょう。

綿素材

綿素材のメリットは、引っ掛けや破れに強い・火に強い・汗をよく吸うことです。そしてデメリットはポリエステルに比べて若干分厚い・乾きにくい・色落ちすることがあるとなっています。

火に強く頑丈で破れにくいため、火をつかったり鉄材を使ったりする職場では綿素材の空調服のみ採用というケースがあります。さらに汗をよく吸うため、大量に汗をかく作業で重宝されることが多いでしょう。

ポリエステル素材と綿素材

両素材のメリット・デメリットを持っています。吸水性が高く、洗濯時に縮みやシワが発生しにくいこと、発色が良いことがメリット。そして火に弱く穴が開きやすいこと、商品によっては洗濯方法に指定があることがデメリットです。

両素材を使った空調服の一般的な素材配分は、ポリエステルが65%、綿が35%。これは他の作業服と同じ素材配合率であるため、使いやすいからです。多くの場合、普段の作業服と同じであることが選ぶ基準になります。

空調服の種類③機能

一般的なファッションの服とは違い、作業服は機能性が全て。そのため、空調服にも当然機能性が求められます。よく使われているのは、次の3つです。

  • フード付きタイプ
  • フルハーネス対応タイプ
  • 遮熱加工タイプ

フード付きタイプ

ヘルメットの上から被れるフードつきの空調服です。このタイプはフードの中にまで風を巡らせることが可能なため、体を冷やす感覚が大きくなります。また作業着と言え、ファッション性も気にする、という方にも人気です。

ただし、作業場によってはフードが禁止というところもあるため、購入前にフード付きでも大丈夫かどうかを確認しましょう。

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フルハーネス対応タイプ

建築業界でよく採用されている種類が、フルハーネス対応タイプです。ランヤードを通す穴が背中についているタイプで、フルハーネス使用時にもファンの風をせき止めることがありません。

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遮熱加工タイプ

いくら風を通しても、太陽光で熱せられたらそれだけで暑いという方におすすめなのが、遮熱加工タイプの空調服です。

生地にアルミコーティングやチタンコーティングがされており、未加工の空調服と比べるとマイナス10度近くの効果があります。これは日傘を指しているのと同じ効果であるため、そもそも体を熱したくない方は検討してみましょう。

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空調服の選び方のポイント

では、空調服の選び方のポイントをみていきましょう。ポイントは4つあります。

  • 価格の安さ
  • 涼しさ
  • 作業のしやすさ
  • 職場の環境

自分が何を優先するかによって、対象となるメーカーや空調服のタイプは変化するはず。順番に確認してください。

ポイント①価格の安さ

毎日必ず着るものであればそれなりの値段をかけて頑丈なものを選ぶという方も、着用頻度が少ない場合は予算が低めになることもあるでしょう。あまり機能重視でもないという方には、低価格の商品がちょうどよいかもしれません。

空調服はバッテリーやファン一式がセットになったものとは別に、それぞれを別に買って組み合わせることでも使えます。相互性は必ず確認しなければなりませんが、安く組み合わせることも可能です。

ポイント②涼しさ

空調服の本来の目的は、空調機能を手に入れて涼しく作業できるようにすることです。そのため、各メーカーはいかに涼しくできるかを常に研究しています。

涼しさのカギとなるのはバッテリーとファンの性能や状態。そのため購入時点で最も涼しいのは、型落ちモデルではなく最新モデルになるでしょう。

また、空調服の下に着るインナーウェアも素材を選ぶことで、より快適に過ごせるようになります。冷感素材や防臭効果が高い素材の下着を選ぶことがおすすめです。

▶関連記事:空調服を着てるのに「涼しくない」と感じる理由や対処法について解説!

ポイント③作業のしやすさ

いくら体を涼しく保つことができていても、肝心の作業がしにくければそのうち使われなくなるはず。そのため空調服を選ぶ際には、普段自分がしている動きを実際にやってみることも大切です。

風が服の中に入った状態でどのような動きならしにくいのか、試着して確かめてみましょう。

ポイント④職場の環境

仕事で空調服を利用することを考えている場合、まずは現場のルールを確認してからにしましょう。現場によってはリスク回避のためにルールが細かく決められていて、個人で自由に空調服を着用できないこともあるからです。

空調服はそれなりに高価な作業服です。簡単に何枚も買い換えられるものではない場合、先にリサーチが必要でしょう。

袖の有無はどうか、担当している作業で使えるか、色やデザインは規定から外れていないか、職場の環境を考えて選ぶようにしてください。

空調服の種類は豊富!自分の職場で利用可能な条件をまずは確認しよう

猛暑となる日本の夏、特に空調のない環境でのお仕事は命にかかわるようになってきました。そこで登場したのが空調服です。

空調服は服の中に2つのファンがあって、気化熱を上手に利用することで着用者の体を効率よく冷やしてくれるもの。イメージするなら、お風呂上りに扇風機から風を浴びるようなものです。

空調服は種類が豊富にあるため、まずは自分が使いたいと思っている環境で利用可能かを確認し、優先するポイントに合わせて選んでいきましょう。上手に選べば、夏場にはとても便利な商品です。

最近は作業服だけでなく一般的なファッションウェアとしての空調服も登場しているので、気に入ったものがあれば生活に取り入れてみてください。

スズキ繊維が運営する制服専科は、創業50年の確かな実績を持ち、暑い夏を涼しく乗り切るための空調服を多数取り扱っています。機能性はもちろんのこと、デザイン性に優れていてスタイリッシュな空調服にも対応しています。
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